あなたがあなたらしく生きるために

前事務局長の小笠原です。
既にお知らせしておりますように、一般社団法人政策集団地域再生青森会議(以下、本法人)は、解散を決め、清算手続きを行っております。
それに伴い、このウェブサイトも8月いっぱいで閉鎖をする予定です。
私がこのウェブサイト、ブログに書き込みすることは最後になります。
本法人の歴史を終えるに当たり、私の人生に大きな影響を受けた創業者である三上亨氏(以下、敬称略)のことに触れ、極めてパーソナルなことも含めて、思いを記載します。

三上と私との出会いは、いまから20年超もさかのぼり、1999年でした。
当時青森公立大学大学院の1年先輩でした。
いまだから正直に言えますが、これからに不安を抱いていた私にチャンスをくれたのが三上でした。
それがもしかしたら私に指し示された「希望」だったと思います。
のちに、特定非営利活動法人NPO推進青森会議、合同会社青森コミュニティビジネス研究所と、三上の傍らで働き、地域づくりを学びました。
三上がいなければ、私のいまのキャリアはありませんでした。
もしかしたら、いま生きていなかったかもしれない。そこまで思います。
心から感謝します。

悔やまれること、また私に欠けていることはたくさんあります。
三上は、亡くなる前日までこれからを不安がる私に対して「営業は心配するな。お前は内政のことをしっかりやれ」と電話で話していました。
本当は、自治体への営業であったりと、私が欠けている営業力を身につけたかった。
現在の仕事(後述)に関連しますが、事業承継や企業保障において、社長亡き後に会社をしばらく維持できるお金を残せても、業績が回復せずに倒産するケースがあると聞きます。
つまり、社長の顔で営業ができていたけれども、亡くなった後に営業できる人材を育てられなかった例です。
私も実際に、ある自治体の担当者から「三上さんだからできたんでしょ」などと言われました。
三上あっての組織だったんだと痛感することが多々ありました。
私のこれまでのキャリアは“スカスカ”なんだと痛感しました。
そして、実績を積みたいと、地域づくりベンチャー会社やシンクタンクなどにアプローチしたもののことごとく全滅。
現在は、ご縁をいただいて、外資系保険会社に身を置かせてもらっています。
この年齢でよく転職したねと言われますが、私は地域づくり支援の延長であり、新たな知識(リスクマネジメント、資産形成などなど)を得て、これまで関わりあった人々へのお役立ちをしたいという思いです。
三上からは生前、「会計とかお金のことで役に立てる人に」と言われていたので、そことも重なると思っています。

三上は、「地域の希望」「地域の自立」をテーマにしていました。
私の今の活動に重ねると、地域には、そこに暮らす人、活動する団体・組織・企業がいます。
それぞれが希望を持てる未来をデザインする、プロデュースする。
それが最終的に、地域の希望や自立につながるという考えです。
少子高齢化は止められません。
厳然とした事実です。
それでも、そこで暮らし続けたいという人がいます。
一方で、そこに住みたい、暮らしたいという人もいます。

「あなたがあなたらしく生きるために」

その人が、よかったと一生を終えられること。
その寄り添いが大切であり、そのためにいま活動していると私は思います。

ある方からこのような話をいただきました。

「小笠原さんは、これまで“地域経営”を仕事にしてけれど、これからはまさに“人生経営”が仕事ですね。」

「人生経営」という言葉に、そうなんだと、私の心にストンと落ちました。
人の生きる、暮らすを、プロデュースする。
それが私の使命と強く思います。
繰り返しになりますが、三上がいなければ、私のいまのキャリアはありませんでした。
本法人は歴史を終えますが、三上でつながるゆるい組織は必要と考えています。
関係人口、地域商社に関する様々な地域づくりに関わる情報や動きは、私が関わる別な地域づくり組織で収集しています。
また、事業承継に関しても現在の仕事と関連します。
これからも皆様と関わり続けます。
よろしくお願いいたします。

一般社団法人政策集団地域再生青森会議 前事務局長 小笠原秀樹